天候が変わった。
雨で木々が曲がってしまい、部屋の電灯もチカチカと点滅している。風と雨の音がイヤホンの音楽をかき消し、建物の上から垂れ下がる電線もグラグラ揺れている。
私は窓を開けて顔を出し、深海の波が次々と押し寄せてくる様子を見た。汽笛の音、葉っぱの音、水の流れる音、すべてが海水の隙間を通って私の耳に届き、蒸し暑くて息苦しい。猫も顔を出して、海水に興味津々で潜り込んでいく。前半身は海水の中にあり、後半身は私の視界が及ぶ空気の中にある。海水のせいで電力系統が故障したようで、部屋の灯りが消え、半分食べた麺も冷めてしまう。私は窓を閉めて再び暗闇に戻り、ゆっくりと麺を食べ終え、ボウルを片付け、服を脱ぐことなくベッドに横になり、そのまま眠りにつこう。光のない雨の日、まさに目を閉じるには最適な天気だ。
彼女と私が波にさらわれないことを願っている。
猫はまだ窓辺に腰を下ろし、揺れる世界を眺めている。
大雨とパソコンの前で迷っている私、そして可愛い猫の記録。